ヒトiPS細胞コロニー粗密判定

細胞品質評価位相差画像解析による非侵襲的な手法により、コロニー画像からinduced pluripotent stem (iPS)細胞コロニーの粗密状態を判定します。

背景

ヒトiPS細胞及びES細胞のコロニーの形状は培養条件により異なりますが、一般的に播種した直後は、細胞はやや大きく、細胞同士は粗に接着した小さなコロニーを形成します。播種後、培養時間が経過するに従い、コロニーの形状は変化し、細胞同士が密に接着するようになります。クランプによる継代の場合だけでなく、シングルセルで播種しても、培養の経過とともに細胞が凝集し、コロニーを形成します。コロニー内の細胞密度が高く、細胞同士の境界が不明瞭で均質な形態を示す状態のコロニーは、いわゆる「成熟したコロニー」と言われます。培養条件や培養環境が適切でない場合には、この成熟したコロニーが出現しない、あるいはコロニーが大きくならないなどの現象が起きます。コロニーの粗密状態の判別評価は、細胞の健康状態を把握したり、継代のタイミングを判断するために重要ですが、この評価には長年の経験が必要です。

目的

ヒトiPS細胞やES細胞の培養時にコロニーの粗密を測定することにより、細胞の状態を把握したり、継代のタイミングを判断する指標を提供します。

方法

細胞培養観察装置「BioStation CT」またはインキュベータ内に設置した「BioStudio-T」を用いて撮影したiPS細胞の位相差画像から画像解析により、ヒトiPS細胞やES細胞の各コロニーの細胞密度の粗密を判定します。タイムラプス撮影により経時的に画像取得を行えば、粗密コロニー割合の経時的変化を数値化できます。

位相差画像の解析によるコロニー粗密の判定
青マスクは粗コロニー、黄マスクは密コロニーを表します。
(Stem Cells Transl. Med. 2015;4 (7):720-30. Fig.S4 より改訂)
これは、独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託業務の結果得られた成果を(一部)活用しています。
撮影領域の粗コロニー及び密コロニーの割合の経時的変化
これは、独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託業務の結果得られた成果を(一部)活用しています。

【参考文献】: Stem Cells Transl. Med. 2015;4 (7):720-30

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