より多くの人々の健康と幸福に貢献する
取締役 兼 専務執行役員 ヘルスケア事業部長 大村 泰弘

ニコンのヘルスケア事業とその役割
「見えなかったものを見えるようにする」、「できなかったことをできるようにする」。ニコンは100年以上、光の可能性を追い求め、新たな価値を提供し続けてきました。ヘルスケア事業部もその基本姿勢は同じです。私たちの事業では、3つのソリューションを展開しています。1つ目は、創業当時から手掛けている顕微鏡の技術・製品を通じて、生命科学の発展や医療、創薬などをサポートする「ライフサイエンスソリューション」。2つ目は、独自の技術を搭載した眼科機器・システムによって眼疾患の早期発見に寄与する「アイケアソリューション」があります。3つ目は再生医療用細胞、遺伝子治療用細胞の受託開発・受託生産で、日本の再生医療および細胞治療の実用化と発展に貢献する「細胞受託生産ソリューション」です。3つのソリューションに共通するコアテクノロジーが、極小の世界を捉える「光学技術」と「画像処理・解析技術」です。これからも、私たちは光の技術で未来を拓いていきます。
3つのソリューションのシナジーと私たちの心がけ
私たちの3つのソリューションは相互に関連し、シナジーを生み出しています。例えばライフサイエンスソリューションと細胞受託生産ソリューションでは、生きた細胞を観察するという点で高い親和性があります。また、細胞受託生産ソリューションとアイケアソリューションは、眼の細胞を再生して移植するといった治療法への貢献など、今後の眼科領域でも大きな意味を持つと考えます。さらに、ライフサイエンスソリューションとアイケアソリューションにおいては、顕微鏡で培った光学技術の眼科機器への応用があります。新たな可能性を生み出すために、私たちは、常にお客さまの声をしっかりと捉えて、隠れたニーズにまで踏み込んだソリューションの提供を心がけています。それを可能にする、より情報感度の高いソリューションエンジニアの育成・強化にも注力しています。
これからの100年に向けて
ニコンが「JOICO顕微鏡」を発売してから100年、その間に私たちの顕微鏡技術はさまざまな革新を遂げてきました。現在、顕微鏡で得られた情報を基に、AIによる画像・データの解析なども含めたより総合的なシステムとしての役割を果たし始めています。今後、顕微鏡システムの自動化によって、生命科学、医療、創薬などの分野における革新的な進歩に貢献していきます。細胞受託生産の分野では、ノウハウ・知見を集約し、製薬会社やバイオベンチャーをはじめとするお客さまへの、より高品質で迅速なサービスの提供に挑戦し続けます。眼科機器の分野では、遠隔診断やAIによる診断などで、眼疾患の早期発見に寄与していきたいと考えています。
ニコンのヘルスケア事業部は、科学と医療のさらなる発展に貢献し、世界中の人々のQOL(クオリティオブライフ)の向上に寄与すべく成長し続けることを目指しています。
※コメントは2025年4月時点のものです。