ニコン ヘルスケア 顕微鏡事業は100周年※1を迎えます

2025年4月1日

株式会社ニコン(以下、ニコン)は、2025年に顕微鏡事業の基点となった「JOICO顕微鏡」の発売から100周年を迎えます。ニコンの顕微鏡は、光の技術で「ミクロの世界」を映し出し、科学・医学・工業分野での研究や検査業務など幅広い分野で活躍しています。

ニコン ヘルスケア事業部は、顕微鏡を基盤としたソリューションの提案を通じて、新たな価値を創造し続けています。次の100年を見据え、科学と医療のさらなる発展に貢献し、世界中の人々のQOL(クオリティオブライフ)の向上に寄与すべく成長し続けることを目指しています。

顕微鏡事業100年の節目を迎えるにあたり、ニコン ヘルスケア事業部はこれからの100年に向けた目指す姿や思いを込めたロゴとキーメッセージを制定しました。また、2025年7月1日から「ニコン ヘルスケア 顕微鏡事業100周年」と題し、日本国内外で様々なアクティビティを実施する予定です。周年事業の詳細については、随時お知らせいたします。

  1. ※1「JOICO顕微鏡」の発売を区切りとして、100周年としています。
ニコン顕微鏡事業100周年ロゴ

このロゴをニコン顕微鏡事業100周年のシンボルとして展開し、世界中の皆さまへメッセージを発信していきます。

ご挨拶

代表取締役 兼 社長執行役員 德成旨亮

ニコンは、1917年の設立以来、光の可能性に挑み続け、お客さまの信頼と期待にお応えしながら、新たな価値を創造してまいりました。中でも顕微鏡はニコンの主要製品のひとつであり、1925年に「JOICO顕微鏡」を発売して以来100年にわたり、見えない世界を可視化し、アカデミアをはじめとする研究領域や医療および臨床現場で科学の発展や人々の健康に貢献してきました。

現在、ニコンのヘルスケア事業は、高度な光学技術とAIを活用した画像解析技術を駆使し、顕微鏡の開発や創薬支援を行うライフサイエンス、網膜画像撮影機器を手掛けるアイケア、そして細胞受託生産(CDMO)の3つの領域で、お客さまの課題解決につながるソリューションを提供しています。

これからもニコンは、新しい価値を創造する挑戦を続けてまいります。そして、お客さまの体験価値向上やイノベーション創出に寄り添うパートナーとして、「人と機械が共創する社会の中心企業」を目指し、より豊かでサステナブルな社会の実現に貢献してまいります。

今後予定しているアクティビティ

開催場所 開催期間 タイトル イベント概要
株式会社ニコンソリューションズ
東京ショールーム(東京都・大崎)
2025年4月1日~ 100周年記念
NIKON JOICO AWARD展
NIKON JOICO AWARDの受賞作品の展示、および顕微鏡事業100周年パネルへのメッセージボード掲示
オランダ
ARTIS-Micropia
2025年3月15日~2025年9月30日 Magnified 顕微鏡およびNikon Small World受賞作品展示
韓国
ソウル市立科学館
2025年4月19日~2026年5月3日 Nikon Small World 展 Nikon Small World 2024受賞作品展示

ニコン顕微鏡の100年の歩み

ニコンの顕微鏡事業は、1925年発売の「JOICO顕微鏡」から始まりました。この顕微鏡は、当時としては高度な光学技術を搭載し、医療・研究分野に革新をもたらしました。高い精度を誇った顕微鏡として、現在の顕微鏡事業の礎を築く重要な製品となりました。現在もニコンの顕微鏡製品は、最先端研究開発、創薬支援、体外受精領域、個別化医療、病理診断などのヘルスケア領域の幅広い分野で活用されています。

具体的な活用事例については、こちらのページ(https://www.healthcare.nikon.com/ja/well-being/index.html)でご紹介していますので、ぜひご覧ください。

- 1925年 「JOICO顕微鏡」発売

最大765倍まで拡大可能な、当時としては高精度な顕微鏡でした。「JOICO」の名は、当時の社名である日本光学工業株式会社の英名表記「Japan Optical Industry Company」の頭文字です。

- 1976年 「CF(Chromatic Aberration Free)システム」を導入

CFシステムは、対物レンズおよび接眼レンズの色収差をそれぞれ個別に補正するという新しい設計思想です。これを用いた顕微鏡の対物レンズが世界初めて製品化され、「100年ぶりの技術革新」と言われるほど評価されました。

- 1980年 「ニコン ダイアフォトTMD」発売

1981年のアメリカで初の体外受精(IVF)による赤ちゃんの誕生の背景に、ダイアフォトTMD顕微鏡が用いられました。それ以来、ニコンは IVF技術の開発と進歩に重要な役割を果たし、不妊に悩むカップルに新たな希望と機会を与えることに貢献しています。

- 2007年 細胞培養観察装置「BioStation CT」発売

温度や湿度を一定に保つための細胞培養装置と、顕微鏡を一体型にし、細胞への負担を減らして観察できるようにした画期的な装置です。世界で初めてiPS細胞の作製に成功した京都大学の山中伸弥教授の研究室をはじめ、世界中の最先端研究所に導入されました。

- 2021年 共焦点レーザー顕微鏡システム「AX/AX R」発売

大型な標本の微細な構造を生きたまま観察し、瞬時の反応や変化を研究・解析するというニーズに応える製品として「AX/AX R」は開発されました。高いコントラストで断面像を取得でき、複数の画像を合成することで標本を三次元で観察できます。高性能ディテクターとスキャナーの採用により広範囲・高解像度・超高速イメージングを実現。研究者がより効率的、かつ詳細に生命現象を理解することを手助けするツールとして親しまれています。

- 2023年 デジタルイメージングマイクロスコープ「ECLIPSE Ui」発売

顕微鏡でありながら接眼レンズをなくしたユニークなデザインが特長の製品。病理医の観察時の姿勢改善に加え、大きなディスプレイで観察画面の共有が可能となりました。病理医不足や長時間の観察による使用者の疲労蓄積など、病理現場での課題やニーズ、身体的負担を軽減することにつながり、病理診断のワークフロー改善に貢献します。

- 2023年 スマートイメージングシステム「ECLIPSE Ji」発売

AIを用いて、画像取得から解析に至るまでの操作を大幅に自動化することで顕微鏡操作を効率化し、分析や考察といったより創造的な活動にユーザーが集中できるようサポートする顕微鏡。箱型でありながらハードウエアの拡張性も保持し、創薬における研究開発の効率化や加速に貢献しています。

- 2024年 ICSI※2 / IMSI※3用電動倒立顕微鏡「ECLIPSE Ti2-I」発売

生殖補助医療の浸透もあり、不妊治療件数の増加など顕微授精に携わる胚培養士への負荷が高まる中、作業の効率性・正確性が求められている中で「ECLIPSE Ti2-I」は開発されました。顕微授精における顕微鏡操作の工程数を大幅に削減し、胚培養士の負荷軽減をサポートすることで不妊治療、および受精率の向上に貢献しています。

  1. ※2卵細胞質内精子注入法(Intracytoplasmic Sperm Injection):顕微鏡で確認しながら卵子の中に精子を直接注入する方法。
  2. ※3卵細胞質内形態選別精子注入法(Intracytoplasmic Morphologically selected Sperm Injection):高倍率の顕微鏡を使用し、精子の形態や構造をより詳細に評価・観察しながら、ICSIに用いる精子を選定する方法。

ニコン ヘルスケア事業部、ニコンのコアテクノロジーである高度な光学技術と画像処理・解析技術を駆使し、先進的な顕微鏡技術や最先端機器の提供、再生医療支援を通じて科学および医療の発展に貢献しています。

また、医療機器や画像解析技術のさらなる進化を目指し、患者ケアに関する新たな技術開発にも取り組んでいます。長い歴史の中で培ってきた光学技術を基盤とし、最先端研究や創薬、生命科学、医療など様々な現場での「可視化」を加速させ、診断支援や治療の質向上に貢献することで、より良い医療環境の提供に貢献することを目指しています。

関連リンク

ニコン ホームページ

ニコン ヘルスケア生物顕微鏡製品・サービス情報サイト

こちらに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。販売が既に終了している製品や、組織の変更等、最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。