盾と刺繍ワッペン

NIKON JOICO AWARDでは、受賞された方々に記念品、そして応募してくださった方々全員に参加特典をお送りしています。
2019年度受賞者の方々には、ニコンの金属3D printerで作成した盾、そして参加特典として刺繍ワッペンを作成しました。

他にはないNIKON JOICO AWARDだけの品を、デザインから作成まで、出来る限りニコングループで作成しています。
NIKON JOICO AWARDを通して伝えたい思いを、ニコンの「技術」と「デザイン」で表現した作品の作成風景をご覧ください。

アイデア出し
入賞された方、そして応募された方々に「NIKON JOICO AWARDにしかないものをお届けしたい」
ニコンにしかできない作品はないか、できればニコン製品からできないか、とニコンのプロダクトデザインを担当しているデザインセンターとアイデア出しからスタート。模索する中「ニコンの金属3D プリンターを使ってみては?」というアイデアが出ました。
Laser Meister 100Aで盾

2019年4月にリリースされたLaser Meister 100A。

ニコン初の金属加工機で、造形・肉盛りといった金属3Dプリンターの要素から、マーキング、接合など、レーザーによる様々な金属加工が行える製品です。
この製品は、「史上最も精密な機械」と言われる半導体露光装置の開発、製造を通しニコンが培ってきた高度な光利用技術と精密制御技術を活用することで生み出されました。

Laser Meister 100Aを担当している次世代プロジェクトメンバーも交え「 Laser Meister 100A の特徴を生かせる品は?」と再びアイデア出しスタート。
そこでNIKON JOICO AWARDのロゴとイラストを生かし、基材を生かした盾を作成することに決定しました。

造形スタート

デザインを決めて、いざ本番です

デザインモデルを造形モデルに変換、データを装置へ転送、装置へ造形に使用するSUS粉体を投入し造形スタートします。
Laser Meister 100Aの造形の仕組みは、基材となる金属板へレーザーを照射し、レーザーの熱で融解している箇所へ金属粉体を吹き付けて積層しながら造形をしていきます。
ステージをXY方向、ノズルをZ方向に動かすことで、基材上に設計したデザインを造形していきます。

造形終了

文字も一筆書きではありません。
金属基材への熱の伝わり具合で造形の品質が悪化することがあります。
そのため、入熱具合をコントロールするよう、専用のソフトウエアで自動で最適な造形パスを生成し造形していきます。

基材に残った余分な金属粉体をブラシで取り払うと、NIKON JOICO AWARDのロゴとイラストがくっきりと造形されています。

完成

入賞された方々へお届けしたものがこちらになります。
盾はブラスト加工し、表面をきれいにしました。
さらに入賞者のお名前と賞をレーザーで刻印しています。

盾を立てかけるためのスタンドも作成。こちらはカーボン3D プリンターです。盾を額のように飾ることもできますし、組み立ててスタンドとしても使用できるよう設計しました。

作成風景をまとめたカードも添え、ニコンロゴを入れた紙で梱包し、最後に手作りの水引をつけてお渡ししました。

参加特典

応募された方には、刺繍ワッペンを参加特典として作成しました。

ワッペンには、NIKON JOICO AWARDのロゴとイラストを配置し、細胞をイメージしたデザインを3色の糸で表現しています。
丸の大きさ、そして糸を入れる向きを変えることで、見る方向によって糸の色が微妙に変化します。

ワッペンは飾っていただけるよう、ワッペンの形にあわせた特別の枠をカーボン3Dプリンターで作成しています。

ワッペンデザイン

原 美帆

ニコン デザインセンター
エクスペリエンスデザイングループ

盾作成、入賞者刻印

鳴嶋 弘明

次世代プロジェクト本部
企画管理室

盾デザイン、盾枠デザイン・作成、ワッペン枠デザイン・作成

小林 佑規

ニコン デザインセンター
IDグループ

盾作成、入賞者刻印

鈴木 達也

次世代プロジェクト本部
第一開発課