ライブセルイメージングによる細胞数計測の活用 -DMSOによる細胞毒性-
ジメチルホスホキシド (DMSO) は培養細胞を凍結する際に凍結保護剤として使用されていますが、水溶性でない薬剤を溶かす溶媒としても活用されています。DMSOは比較的低毒性とは言われていますが、浸透性が高く、細胞の増殖を阻害します。DMSOは、凍結保護剤として使用される場合には、一般的に最終濃度10%で使用されます。また、溶媒として使用される場合には、一般的に最終濃度0.1%で使用されます。
DMSOの処理時間が長ければ、その影響も大きくなる
Hep G2細胞を2.5×105 cells/wellの密度で6ウェルプレートに播種した後、DMSOを添加して、ライブセルイメージングでDMSOの細胞毒性を観察してみました。
翌日、DMSOを0.1%、0.5%、1%、3%、5%となるように調整した培地で各ウェルを培地交換し、プレートをCO2インキュベーター内に設置したBioStudio-T*にセットし、12時間ごとに位相差画像の撮影を行い、72時間培養を行いました。位相差画像から、CA-moduleを使って画像解析を行ない、細胞占有面積率を算出を算出しました。*製品の生産は終了しています。細胞培養・アッセイに関して、また製品についてのご質問等は、お問い合わせフォームよりご連絡ください。
DMSOを添加した濃度が濃くなるほど、細胞のコンフルエンシーの増加速度が遅くなっていることがわかります。DMSO5%の条件では、細胞が増殖していないことがわかります。

コントロール(DMSO無添加)のコンフルエンシーに対する割合をRatio(比)として算出し、横軸をDMSOの濃度にしてプロットし、グラフを作成しました。DMSOを添加してから時間とともに、細胞の増殖が阻害されていることがわかります。3%や5%ではかなり細胞の増殖が阻害され、毒性を示していることがわかります。

DMSO添加の条件で培養を行った際の細胞の増殖を継続的に測定が可能となります。薬剤添加後、その効果はどこまで続くのか、いつ効果が出るか、など評価をするためには有効な解析方法ではないでしょうか。
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