神経細胞
しんけいさいぼう
neuron(nerve cell)

神経細胞とは、脳や脊髄などの神経系を構成し、細胞体、神経突起、軸索の3つの部分に区別される形をもつ細胞です。神経細胞は、細胞体から伸びる突起を介して信号を伝達し、互いに通信しているため、他の種類の細胞とは異なり、特徴的な形態をしています。
多能性幹細胞から神経細胞への分化誘導は、一般的にはニューロスフェアという細胞の凝集体を作成させて分化誘導する方法が使われていますが、特定の転写因子コードするmRNAを導入して分化誘導する方法も活用されています。
神経疾患患者由来のiPS細胞(人工多能性幹細胞/iPSC)を用いて分化誘導した神経細胞は、神経疾患モデルとして、疾患メカニズムの解明や、疾患の治療薬の開発におけるスクリーニングや安全性評価(毒性評価)に利用されています。医薬品開発において、毒性や副作用の懸念により開発が中止になることがあります。実験動物を用いた評価法では予測できないことも多く、ヒトiPS細胞由来神経細胞を用いた評価系構築が期待されています。神経毒性では、特に痙攣が重篤な毒性の一つであることから、iPS細胞由来神経細胞を微小電極アレイ(microelectrode array:MEA)を用いて、神経回路網の電気整理的活動を非侵襲的に測定する手法が期待されています。

参考文献

白川 誉史, 鈴木 郁郎, ヒトiPS細胞由来神経細胞を用いた痙攣評価系の検討, 日本薬理学雑誌, 2020, 155 巻, 5 号, p. 284-288

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