Well-Being好奇心をくすぐる体験

日常とはちがう視野から新しい体験が広がります。顕微鏡で覗く世界もそのひとつ。そこから、自然や生命に対する好奇心が触発されることもあるでしょう。立教新座中学校・高等学校では、生徒さん一人ひとりがじっくりと観察できるよう、90台の顕微鏡を用意しています。初めて本格的な顕微鏡に触れる生徒さんもいる中、その授業に『優しく、使いやすく、親しみやすく』をコンセプトに開発された、ニコンの教育用顕微鏡が役立てられています。

一人ひとりの顕微鏡体験を大切にする。

覚えていますか。あなたが初めて顕微鏡を覗いたのはいつごろでしょうか。今まで見たことのない眺めに感動した人もいるのではないでしょうか。今回は学びの場における顕微鏡の貢献に関して、立教新座中学校・高等学校で理科を担当されている、和泉 利香先生にお話を伺いました。同校は、緑豊かな武蔵野の面影を残す埼玉県新座市の北部に位置し、立教大学のキャンパスに隣接しています。2014年に新築された校舎はとても明るく開放的な雰囲気。『自由と自律の精神のもと、自ら学び考える教育方針で、生徒さんたちの自主性を重んじる』という校風を物語っています。

和泉先生は高校生の授業を受け持っており、その一環に、顕微鏡を使った生物の観察があります。同校では、中学生と高校生が同じ時間帯にそれぞれの教室で顕微鏡観察の授業を受けることがあります。その際でも、一人ひとりがゆっくりと観察できるように90台の顕微鏡を用意していました。しかしそのうちの45台が耐用年数を大きく超えていたため新しい顕微鏡の導入を検討。その結果ニコンの教育用顕微鏡ECLIPSE Eiが採用されました。

立教新座中学校・高等学校
理科教諭 和泉 利香先生
埼玉医科大学 日高キャンパス正門/日高キャンパス 保健医療学部棟

使いやすく、観察に集中できる顕微鏡。

和泉先生たちがいくつかの候補からECLIPSE Eiを選んだ理由は、まず解像力の高さ、そして視野が明るく色彩も美しかったこと。また、軽量・コンパクトで電源コードを背面に巻き取ることができ、取り扱いや収納性に優れていたことも決定の要因となったそうです。

教育用顕微鏡 Nikon ECLIPSE Ei/背面に電源コードを巻き取り可能

さらに、この顕微鏡を導入した後に先生が実感したことについても語ってくださいました。「顕微鏡での授業に関して、以前から気になっていることがありました。それは、最初の授業で生徒たちが顕微鏡を使うとき、適切な操作や観察方法を教える必要があり、そこに時間がかかりすぎてしまうことでした」と和泉先生。特に対物レンズの倍率と、絞りによる光の量の調整方法を理解してもらうことに時間がかかっていたそうです。授業の限られた時間の中で、顕微鏡観察という貴重な体験を少しでも多く増やしたい。そのために説明の時間はできるだけ短くしたいと、先生は考えていました。「ECLIPSE Eiは、絞り調整の表示が、対物レンズの倍率で示されています。色も対物レンズの色とリンクしているため、生徒たちに説明がしやすく、簡単に理解してもらえるので、次の授業との間隔があいても、すぐに思い出してもらえます」とおっしゃっていました。また、ピント調整やステージを動かすノブも非常に使いやすく、より観察に集中してもらえるようになっているとのことでした。『優しく、使いやすく、親しみやすく』をコンセプトに開発された、教育用顕微鏡だからこそ、先生にも生徒さんたちにもしっかりと応えることができているようです。

対物レンズの色と、光量を調整する絞りの表示がリンク/楽な姿勢とスムーズな操作で、観察に集中できる/鏡筒部のQRコードはスマートフォンで読み取り可能/スマートフォンでオンラインガイドの閲覧ができる

顕微鏡での新しい学びを、いっしょにつくる。

和泉先生の担当する顕微鏡を使用した授業では、オオカナダモやタマネギの組織、さらにウニの成育などの観察を行っています。そしていま、新しい試みにも取り組んでいます。きっかけは、ある生徒さんの「先生、これを撮影してもいいですか」という質問でした。先生が許可すると、顕微鏡の接眼部にスマートフォンのレンズをあわせて器用に撮影したそうです。そしてその写真の美しさに驚いたほかの生徒さんたちも撮影を始めたのです。先生は、みんなが撮った写真をもっと有効に活かす方法はないかと考え、クラウド型の授業支援アプリである、ロイロノート・スクール(株式会社 LoiLo)を使うことにしました。まず、ロイロノート・スクールにみんなが撮影した画像を上げてもらい、授業のときに参考例として取り上げました。

スマートフォンで撮影した観察画像:
オオカナダモの細胞
スマートフォンで撮影した観察画像:
タマネギの体細胞分裂
スマートフォンで撮影した観察画像:
ウニの幼生

さらに、学校の敷地内で大気の汚染度を調査しレポートすることにも取り組みました。これは、生徒さんたちが校内のさまざまな場所にあるマツから葉を採集し、気孔の汚れを顕微鏡で観察することなどで大気汚染を調査・判定。その結果をロイロノート・スクールにアップするというものです。さらに今後は、学年度を通して得られた観察の成果を、各個人やクラスごとの観察図鑑としてまとめることにもチャレンジする予定です。

校内のマツの葉の気孔の汚れから大気汚染を調査したレポートの一例(右は顕微鏡で観察したマツの気孔)

先生はそのほかにも“ひとつの器官をじっくり観察しよう!”という授業を計画しているそうです。「ECLIPSE Eiは明るく鮮明で操作も簡単なので、手間取らずに、生物のひとつの器官をさまざまな方法でじっくり観察できると思います」とおっしゃっていました。見たことのない世界を見せてくれる顕微鏡には、私たちの好奇心をくすぐる不思議な力があります。そこから生まれる『なぜだろう?』『もっと知りたい』という思いが、生徒さんたちの成長につながっていくのでしょう。

これからも新しい学びを生徒さんたちといっしょにつくっていくことに、ニコンの顕微鏡が貢献できればと願っています。

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