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microphysiological systems(MPS)

MPSとは、健康または病気の臓器や組織の機能の特性を模倣する物理的(温度、pH、酸素など)/生化学的/電気的/機械的(流れや伸張など)な反応を提供する微小環境を構築した小型のチップ内に、機能的に特性のある細胞、器官や組織由来の採取物、自己組織化オルガノイドなどを入れたin vitroプラットフォーム。
MPSは、細胞培養技術、細胞評価技術やマイクロ流体デバイス技術により実現され、日進月歩の進化を続けています。臓器には臓器固有の細胞や構造がありますが、臓器そのものの再現、小腸と肝臓など個別臓器の相互作用を目指すもの、個人由来のものなど、種類や目的も多岐にわたります。
医薬品開発において、ヒトにおける薬物動態や安全性評価(毒性)を予測する実験動物を使った前臨床試験が行われています。しかし、これらの実験動物を使った予測試験では正確性が高くなく、ヒトに投与する臨床試験を開始した段階になってから薬の開発が中止される割合が高いことが課題となっています。MPSは代替の前臨床試験法として期待されています。さらに、MPSは臨床試験の薬剤効果についても、その可能性を評価する研究が進められています。

参考文献

Hargrove-Grimes P, Low LA, Tagle DA. Microphysiological Systems: Stakeholder Challenges to Adoption in Drug Development. Cells Tissues Organs. 2021 Aug 11:1-13. doi: 10.1159/000517422. Epub ahead of print. PMID: 34380142.

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