MSC(間葉系幹細胞)
えむえすしー(かんようけいかんさいぼう)
MSC(mesenchymal stem cell)

MSC(間葉系幹細胞)とは成体内に存在する幹細胞ステムセル)の一つで、中胚葉由来の組織である骨や軟骨、血管、心筋細胞に分化できる能力をもつ細胞。近年では、外胚葉由来の神経細胞やグリア細胞(神経細胞を支持するなどの機能をもつ)、内胚葉由来の肝細胞にも分化できることが報告されています。
国際細胞治療学会(International Society for Cellular Therapy:ISCT) では、ヒトMSCを定義するための基準として、(1)標準的な培養条件でプラスチックに接着性を有すること、(2)細胞表面マーカーのCD73、CD90、CD105が陽性であり、かつ、CD11bまたはCD14、CD19またはCD79α、CD34、CD45、HLA-DRが陰性であること、(3)骨芽細胞、軟骨細胞、脂肪細胞への分化能を有すること、を必要最低条件とすることを提案しています。
臨床目的で用いられるMSCは、骨髄、臍帯、臍帯血さい帯血)や脂肪といった様々な組織から採取され、抗炎症効果、増殖因子の分泌、血管新生促進作用といった組織修復効果に重要な生物活性を有することが報告されています。また、腫瘍化のリスクが低いとも言われています。すでに脊髄損傷や造血幹細胞移植後の急性移植片対宿主病の治療用として、承認されている再生医療等製品があります。

出典

Cytotherapy 2006; 8: 315–317.

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